今年の夏は死ぬほど暑かったですね。さて、この暑い時期も終わり、一気に秋の装いを感じる今日この頃ですが、いよいよ今年もカモの渡りのシーズンになってきました。
ところで、カモって雄雌で模様が違うのはご存じですよね? カルガモのように同じ模様のものもいますが、一般的に鳥類はオスの方が派手な色と模様を持っています。カモ類も例外ではなく、オスの方が非常に派手な色と模様の羽を持っています。
ところが...これから始まる秋の渡りのカモ、みなさんよく注意してみて下さい。そうなんです。オスがいない...そんなことはないはず。でも、派手な模様のカモがいないのです。マガモのオスはわかりますよね? 金属光沢の深い緑色の頭のカモです。これも見つからないと思います。
それではなぜオスの姿が見つからないか? メスになってしまった? それともオスのグループだけ別行動しているのか?
実は、繁殖期を終えたカモは、羽を変えてしまうのです。オスの鮮やかな羽は、繁殖期が終わると同時にメスのような地味な模様に変わってしまうのです。
9月から本格化するカモの渡り、渡ってくるカモ類のほとんどが羽の模様がメスがした状態で渡ってくるのですが、これらを“エクリプス”と呼びます。マガモのようにメスそっくりになってしまうものもいますが、羽の各部にそれなしの特徴を持つ種類も多いです。
私たちのように、これを識別する人にとっては大変なわけで、僅かなエクリプスとしての特徴と体の大きさ、頭部の形や仕草で種類を見分けなければならない、非常につらい時期なのです。
では、この羽がメス化した状態はいつまで続くのでしょうか? だいたい、氷が張るくらいの季節になると、元のきれいなオスに戻っています。と同時に、カモにとって冬は求愛の季節。模様もきれいに出そろった姿で女性を口説きに行きます。
たぶんこういうことなのでしょうね。メスを獲得するためには、メスの注意を引かないといけないので目立たないといけない。でも、繁殖が終わってしまえば、目立つのは外的に狙われやすくなるので、一時的に衣替えをする。
人間の世界を見てみると...若年齢層の顔立ちや服装にオスのメス化が見られますねぇ。それも季節に限らず。これは目立たないように周りにとけ込むためか??
いや〜全然違うでしょうね。