忍者の衣装をまとったツグミ
ツグミは体長約24cm、ヒヨドリより少し小さいくらいのツグミ科の野鳥です。10月頃シベリヤ方面から全国に渡ってくる冬鳥なのですが、北海道では主に旅鳥として、本州への途中のものが多く見られるようです。昆虫やみみずなどのほか、木ノ実などを食べます。
翼の明るい茶色、非常に目立つ白い眉斑(まゆげ)、白地に忍者の服のような黒の模様がある腹部、それほど長くない尾羽、大ざっぱに言えばこのような鳥ですが、実は模様が複雑な上、個体差が非常に大きく「これって同じ鳥?」と思うような紛らわしいものもいます。一般的に、ツグミの仲間は姿形に共通する部分を持つ種が多いため、その区別に慣れないと結構辛いものがあります。真冬はツグミのみなのですが、春秋には、入れ替わりで渡っていくアカハラやトラツグミなど、同じツグミの仲間と混じってしまい、また行動も似ているところも多いため、ごっちゃになってしまいます。さらにツグミ科の他の種の幼鳥には、ツグミと同じ模様を持つものもおりさらに混乱します。
鳴き声も非常に紛らわしく、地鳴き(さえずり以外の鳴き声)は、ツグミ特有のものも多くありますが、「シリリ」「ツィー」などツグミ科共通のものもあり、益々混乱します。春、北上する前に希に、「キョロン」「キョロロ」などとさえずりを聞くこともあります。が、これも、ツグミの仲間に共通の言い回しがたくさん入っており、それと気付くにはやはり姿を見ていないと難しいかもしれません。いずれにしても姿を見せない限り、初心者泣かせでしょうね...
町内湿原周辺の森林にはどこにでもおり、森林内では警戒心は割と強めですが、町中の公園や民家の餌台にやって来るものも多いです。少し警戒していると、おきまりのポーズをとります。ホッピングしながらたまに止まり、少し上向き加減で胸を張り、背筋を伸ばしてじっとあたりをうかがいます。
雪が多いと、街路樹の実や町中の餌台で見かけることも多いと思います。春に帰る頃には体重をうんと増やし、体力を付けていないといけないので、そっと見守ってあげて下さいね。