カモの渡りの季節がやってきた
〜 たくさんのカモを見てふと思う 〜
ようやくカモの渡りが本格的になってきました。今、水鳥観察館周辺では、渡ってきたカモたちで大にぎわいです。このカモたち、シベリア方面から日本方面に、渡りの中継地、あるいは越冬地としてやって来ているのです。
カモの渡りそのものは既に9月から始まっていますが、まず最初にやってくるのが、マガモ、オナガガモ、ヒドリガモなど、割と私たちの目の前にも出てくるカモ。そしてこの10月からは、スズガモ、キンクロハジロなどのモノトーン調のカモ、ミコアイサ、カワアイサなど魚食性のいずれも潜水ガモと呼ばれるカモが主にやってきます。
これらは既に広報で取り上げたカモたちなのですが、その他にも、コガモ、ハシビロガモ、ホシハジロなど、合計約20種類ほどのカモが、それぞれ数百から数千羽、あるいはそれ以上の数で渡ってきます。
さて、ふだんカモを見ていて、お互い仲が良さそうだなぁって思ったことありません? それとも、何でこんなに仲が悪いんだろう?と思った人もいるかな。
私がいつもこの集団のカモを見て思うことは、何でこんなに意地が悪いんだろう...と。
今、観察館周辺に集まっているカモの集団、違う種類のカモに対してならまだしも、同種のカモに対しても、自分のくちばしが届く範囲にやってきただけで「あっち行け!」と威嚇してしまいますし、リーダー格のものがやたら周辺のカモを追いかけ回している光景もよく見られます。それでもみんな集まっている。
早春の話ですが、厚岸で繁殖するマガモを見ていると、雄は繁殖期だけは一生懸命メスに「おれと付き合ってくれや〜」とすり寄っています。しかし、ヒナが卵から孵るとほとんどの雄はほったらかし。雄は雄同士でどこかで遊んでいるし...確かに、カモの世界は「釣った魚に餌はいらない」も通用しそうだなぁ。ヒナに餌あげなくてもいいし、嫁さん文句言わないし。
オシドリも、雌雄がいつも一緒にいることからオシドリ夫婦なんて言うけども、実際は他のカモとそれほど変わらないし、子供のDNA調べると、今の両親の子でなかったり...う〜ん、人間の世界と実は同じなのかな。カモの世界も。